元地方公務員たかすけのブログ

元地方公務員の人生迷子

元地方公務員、後期高齢者医療保険料の徴収について語る

こんにちは。

元地方公務員のたかすけです。

本日は後期高齢者医療保険担当時代の話を書きます。

6,7年前の話なので、現行の制度とは多少の差異があると思うため、ご了承ください。

 

後期高齢者医療保険制度とは

 75歳以上(障害等一定の要件を満たす65~74歳も可)が強制的に加入することとなる医療保険です。75歳以上になるとこの保険に個人単位で強制加入となり、今まであった保険上の【扶養】という概念がなくなります。人によっては今までの保険と比べて保険料が大きく増減することがあるので要注意です。

 

〇保険料徴収担当としての成果

 前年度比の徴収率が180%と県内2位になり、知事から表彰いただきました。

 

〇徴収率UPとなった要因

口座振替の登録を徹底した

 初期未納となる最も大きな要因として、口座振替の登録をしていないことが挙げられます。自分が働いていた自治体では口座振替の登録を行う際、『固定資産税』『介護保険料』とようにそれぞれの料金毎に行っていました。『国民健康保険税』と『後期高齢者医療保険料』は別のため、住民の方に国保から後期に保険が切り替わるタイミングで口座振替の設定も継続されるものと判断されてしまいました。

 その為、毎月75歳になる市民の方をリストアップし、口座振替を行うよう促す案内文と口座振替の登録用紙を送付していました。また、後期の保険料は保険に加入後2か月経ってから支払い発生となるため、口座振替の登録のない方に対しては毎月案内と登録用紙を送付し続けました。

 また、期日までに支払いのない方に対し送付する督促状や催告状にも口座振替の案内一式を同封しました。

 

②短期証の期限を短くした

 保険料の滞納が続く方に対して、通常の保険証(期間は1年)より短い期間しか使えない短期証を交付しました。短期証は各自治体ごとに条例を制定することで具体的な取り決めに基づいて運用することができます。当時は短期証に関する条例の内容がほぼなかったため、滞納状況や滞納者との接触状況毎に保険証の期限を設定できるように追記・変更を行いました。保険証の期限が切れ、病院からせっつかれて窓口に来られた方に対し、上記口座振替の登録をお願いすることでさらなる収納率UPにつなげられました。

 持論ですが、人が行動を変えるためには『痛み』を感じる必要があると思います。保険証が使えない、という不快な痛みを伴うことで行動を変えざるを得ない状況を作りだしたことが功を制したのではないかと思います。

 

自治体内の地形に精通した職員と協力した

 当時はコロナ前であったため、訪問徴収を行いました。自治体内の隅々まで訪問が必要となるため、地理を熟知した方に協力を仰ぎ効率的に訪問できたことで、徴収率の向上につなぐことができました。

 

④前年度の成績が悪かった

 身も蓋もない話ですが、比較対象となる前年度の成績があまりよくありませんでした。結果として前年比の成績が爆上がりしました。

 

〇終わりに

 徴収率を上げるために様々な工夫を行いました。『これさえやれば確実に成果が出る』といった魔法のようなものはなく、泥臭く粛々と様々な試みを続けていくしかないことを痛感しました。公務員は決まったことを決まったように行うことを是とする印象が強かったので色々と新しいことを試すことは渋られると思いました。しかしながら上司の全面サポートの下で伸び伸びと仕事をさせていただきました。つくづく人間関係に恵まれていたのだな、と感じます。

 

 

ここまで読んでいただき大変ありがとうございます。何かしら参考になったら大変うれしき思います。また次の記事でお会いしましょう。